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施設の管理者に「清掃は行き届いているか」と問いかけて「行き届いていない」という回答は無いと思います。 しかし同じ質問を施設の利用者や来場者にしたときに同じ回答を得られるとは限りません。清掃の状態や空調や照明の照度など人の生理的な感覚に影響を与えるものは、個人差が大きいからです。 それ以前の問題として公共施設における清掃状態と同形態の民間施設における清掃状態、いいかえれば清掃の水準については格差があります。多少乱暴な言い方をすれば従来の公共施設においてはとりあえず掃除がされていることでOKであり、それに対して民間のサービス施設にいては利用者や来館者に快適な環境を提供することが求められる水準、といくらいの違いがあります。 これまで公立施設の清掃については清掃会社に業務委託され、清掃会社の選定については入札が一般的でした。入札を行うにあたっては「仕様書」が提示され、その仕様を満たすためのコストとして最も低い金額を提示した企業が清掃を行うということになります。 入札の場合、契約は単年度が原則ですから業務を受託する企業としては、仕様書の範囲を超えてまでの水準で清掃を行うことはなく、人材においても清掃機材に関しても投資を行うことはあまりなかったはずです。 仕様書に関して言えば、清掃対象箇所の床面の素材と面積が記載されていることが基本で、あとが一部の特別清掃を指定するかどうか、といレベルです。 また個々の作業水準についてはお役所の庁舎の清掃レベルを想定しており、民間のサービス施設やホテルなどと比較した場合には低グレードです。 庁舎清掃ではオフィスアワーの間に、多少汚れた洗練されていないユニフォームを着用した年金受給者がモップを持って清掃していても来館者からのクレームはありませんが、民間のサービス施設においては「とんでもない」ことです。 これからの公共施設において「清掃は行き届いているか」といことを考えるにあたってのキーワードはふたつあります。 ・清掃グレードを民間施設と同等にする ・清掃作業(スタッフ・機材)を民間企業と同等にする これらの実現はコストアップにつながり外郭団体には頭の痛いところです。また利用者サービス向上のため開館時間や開館日数を増やしている施設では、清掃作業を深夜に行うようになりこれもコストアップの要因となります。 ビルメンテナンス企業が指定管理者に応募するとき、提案書の施設維持管理について記載することができるなら、下記の内容に触れておくことは審査委員の評価をあげるポイントになります。 ・清掃時間帯…来場者に不快感を与えないためパブリックスペースや貸出スペースの清掃は閉館後行う。 ・清掃方法…作業効率・作業水準の平準化・作業員の安全確保などの観点からドライ方式を導入するなど清掃作業の機械化を図る ・作業員…作業員が利用者や来場者の目に触れたりまた来場者と会話をすることも想定されることから、ユニフォームは好感を与えるものを採用し常に清潔なものを着用する、加えて作業員に対して接遇研修を行う 清掃作業が行き届いていること、当たり前のようなことですが、管理責任者の意識次第でその水準や内容には大きく差が出るということを認識して、研究することが大切です。 実践5Sの進め方―整理・整頓・清掃・清潔・躾
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