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しばらく前に「個客満足」というタイトルで利用者・来場者に関するモニタリングについてふれました。指定管理者としてどのように利用者や来場者に対応することで満足度を高めるかでした。今回のテーマは「多客満足」。利用者や来場者ひとりひとりの個性や嗜好に影響されることが少なく、一般的に求められることについてです。言い換えればラーメン屋の麺やスープやトッピングやそれらを合体したどんぶり一杯のラーメンが好きか嫌いかでなく、店として最低限整えるべき部分は大丈夫か、ということです。 設備や機構類については「壊れたら直す」が一般的な公立施設では、建物本体についても同様です。このことはいつまでたっても改善されることは無い課題です。なんといっても予算が無いからです。ハードは整備して運営のための人件費を含めたコストを低減させるために指定管理者制度を導入しているのですから、数十年に一度の改修でも無い限り大幅な施設や設備の改善は期待できません。 指定管理者はそのような施設の運営・管理をするなかで、自分たちの責任範疇であるオペレーションに関する分野のクレームだけでなく、ハードに起因するクレームの受け事故発生のリスクをしょっていることを再認識しなければなりません。というよりまずは指定管理者募集に応募する時点でその施設に内在する潜在的リスクについて十分な調査をするべきです。 これは自社のためでなく自治体や地域住民のためでもあるのです。 指定管理の対象となっている施設で老朽化が進んでいるのに、設置後十分な対策やリニューアルが施されていない施設では次のようなリスクや利用者不満足が存在します。 ■バリアフリーに関すること 施設周辺及び館内においてスロープ・エレベーター・エスカレーターの設置状況が不足していることによる車椅子利用者や高齢者からのクレーム。 点字や音声ガイドによる館内案内が施されていないことによる視聴覚障害者からのクレーム。 ■トイレに関すること 洋式便器の設置不足による高齢者を中心としたクレーム。 来場者の男女比率を反映していないトイレ配置による女性来場者からのクレーム。 ■設備に関すること 空調が集中システムとなっていることによるクレーム。 空調設備が老朽化していることで十分に機能していないことによるクレーム。 ほかにもたくさんあるはずですが、いずれにしてもこれらのことは「公立施設だから」という理由で利用者も来場者もあきらめている部分かもしれません。低額な利用料で利用できる利用者はあきらめもつくでしょうが、その利用者が行う高額な催しものにやってくる来場者にとっては大きな不満です。民間の類似施設においてはおそらく考えられ無いことばかりです。 利用者及び来館者の不満足の要因はほとんどが施設・設備が要因となっていることで、指定管理者としては解決の手段がないと言うのが正直なところでしょう。 指定管理者としてできる対応は、モニタリングの項目に施設・設備に関する内容を盛り込み、利用者や来場者の声を施設の設置者である自治体に届け続けること。またその内容を利用者や来場者に対して他のモニタリング項目と併せて公表していくことだと思います。 クレームは報知していては増大し、聴くだけでも増大します。 改善できる部分については改善し、改善できない部分については対応状況をお知らせする。 そして自ら負うことのできない責任についての回答は自治体に任せることが正しい対応です。 指定管理者としては「個客満足」「多客満足」どちらもおろそかにはできません。 うまいラーメンを提供することも大事ですが、並みのラーメンを旨いと感じてもらえる店作りもしくは旨いラーメンをまずいと感じさせない店作りはもっと大事です。 苦情学―クレームは顧客からの大切なプレゼント
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